Kohei Hasegawa, MD, PhD
Profile
長谷川 耕平
Kohei Hasegawa, MD, PhD
医師・科学者・RNAワクチン開発者
Physician-scientist and vaccine developer
新潟生まれ、横浜の下町育ち。慶應義塾大学 総合政策学部、東海大学 医学部、ハーバード大学 公衆衛生大学院、マサチューセッツ工科大学 (MIT) スローンスクール卒。
医学部卒業後、沖縄米国海軍病院を経て2008年に渡米。ハーバード救急医学での研修医プログラムを卒業後、マサチューセッツ総合病院 救急部 指導医となる。同時にハーバード大学医学部 教授として研究室を主宰。専門はウイルス免疫学、生命情報学、トランスレーショナルリサーチ。使命は日米のアカデミアと産業界に橋をかけサイエンスを実用化し、世界をより良いものにしていくこと。
2024年より並行して、グローバル製薬企業であるサノフィ・パスツールにてRNAワクチンの開発・戦略のリーダーシップをとる。
- マイブーム:学んだことを捨てる(Unlearning)
- マイルール:闘技場に立つ (“The man in the arena”)
(セオドア・ルーズベルト大統領による1910年ソルボンヌ大学での演説の一節。観客席にとどまる批評家になるのでなく、汗と埃、血にまみれながら挑戦していくことの大事さを唱えています) - 座右の銘:リード・ザ・セルフ (Lead the self)
Kohei was born in Niigata and raised in downtown Yokohama. He graduated from Keio University, Tokai University Medical School, Harvard School of Public Health, and MIT Sloan School of Management.
After medical school, Kohei completed a fellowship training at the U.S. Naval Hospital in Okinawa and moved to the U.S. in 2008. He completed a residency program in the Harvard-Affliated Emergency Medicine Residency Program at Massachusetts General Hospital (MGH), and became an attending physician at the MGH Department of Emergency Medicine. In addition, he has served as a Professor at Harvard Medical School, leading a laboratory. Kohei specializes in immunology, bioinformatics, and translational research. The mission is to bridge academia and industry between Japan and the U.S., develop innovative vaccines and drugs, and improve the world.
Starting in 2024, Kohei has also taken on leadership for the development and strategy of RNA vaccines at Sanofi Pasteur, a global pharmaceutical company.
- Current obsession: Unlearning
- Principle: Stand in the arena (“The man in the arena”)
(A passage from President Theodore Roosevelt’s speech at the Sorbonne in 1910. It emphasizes the
importance of taking on challenges rather than remaining a critic in the audience.) - Motto: Lead the self
Work
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Research
ハーバード大学 医学部 教授。マサチューセッツ総合病院のトランスレーショナル・リサーチ・プログラムの創設者・Principal Investigator。アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)による研究コンソーシアムや日本・アメリカ・ヨーロッパの250病院を結ぶ国際研究ネットワークを主導するとともに、研究者の後進を育成してきた。専門はウイルス免疫学、生命情報学、トランスレーショナルリサーチ。アメリカ医学界誌(JAMA)等に300本以上の研究論文や教科書を出版。現在は次世代のワクチン開発を目指し研究を行っている。
Kohei is a Professor at Harvard Medical School and was the Founding Director of the Translational Research Program at Massachusetts General Hospital (MGH) Emergency Medicine. Kohei has spearheaded research consortia funded by the National Institutes of Health (NIH) and an international research network connecting 250 hospitals across Japan, the U.S., and Europe, while mentoring the next generation of researchers. He specializes in immunology, bioinformatics, and translational research. Kohei has published over 300 research papers and textbooks. Currently, he is developing the next generation of vaccines.
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Industry
世界有数のワクチン企業であるサノフィ・パスツール (Sanofi Pasteur) にてRNAワクチンのグローバル臨床開発・戦略のリーダーシップをとる。専門は呼吸器ウイルス、RNAワクチンのプラットフォーム、トランスレーショナルリサーチ。米国ボストンを研究拠点として、世界の数十億人に届く次世代ワクチンの開発を目指している。
At Sanofi Pasteur, one of the world's leading vaccine companies, Kohei directs the global clinical development and strategy for RNA vaccines. He specializes in respiratory viruses, RNA vaccine platforms, and translational research. He is based in Boston and aims to develop next-generation vaccines that will reach billions of people worldwide.
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Medicine
ハーバード救急医学での研修医プログラムを外国人として初めて卒業。その後はハーバード大学医学部の旗艦病院であるマサチューセッツ総合病院 救急部の指導医。年間11万人以上の患者が訪れる救急部にて診断・治療、およびフェロー・研修医・医学部生らの教育を行っている。
Kohei is the first foreign graduate to complete the Harvard-Affiliated Emergency Medicine Residency Program. Afterward, he became an attending physician at the Emergency Department of Massachusetts General Hospital (MGH), the flagship educational hospital of Harvard Medical School. In the Department with 110,000+ patient visits annually, he provides patient care and educates fellows, residents, and medical students.
Publications
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科学論文300本以上
Has authored over 300 scientific papers
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教科書チャプター・総説など50本以上
Also authored 50+ textbook chapters and review articles
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共著書籍2冊
Co-authored two books
Favorites
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『リーダーシップの旅 見えないものを見る』
野田智義・金井壽宏 著
何度も何度も読み直してきた大切な一冊です。リーダーシップの旅は 「リード・ザ・セルフ (lead the self)」 から始まります。
「リーダーシップ、それはたった一回の人生という旅であり、生の意味を問い続けるプロセスだ。本当に大事なものが分かれば、ときにはこれまで大事にしてきたものを諦めることができる」 -
『On Call: A Doctor’s Journey in Public Service』
Anthony Fauci 著
新型コロナパンデミック時に米国の対策の陣頭に立ったNIHのアンソニー・ファウチによる回想録。医師・科学者として共感するだけでなく、その勇気・リーダーシップ・人間愛を深く尊敬しています。
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『夜と霧』
ヴィクトール・フランクル 著
強制収容所から生還した精神科医の体験に基づく人類の古典。過酷な環境でなにに絶望し、なにに希望を見出したのか。生きる意味についての問い。
「もういいかげん、生きることの意味を問うことをやめ、わたしたち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ」 -
『幾山河: 瀬島龍三 回想録』
瀬島 龍三 著
山崎豊子の小説『不毛地帯』のモデルである瀬島龍三の回想録。関東軍参謀・伊藤忠会長として毀誉褒貶のある人物ですが、そのシベリア抑留の体験には学ぶところがあります。
「苦しい環境の中では、人間は...粉飾できるものでなく... 裸にならざるを得ない... 人間の弱さ、醜さを克服するのは容易ではない...信仰心、責任感などの心の鍛錬が肝要と痛感した...」 -
『ツァラトゥストラはこう言った』
フリードリヒ・ニーチェ 著
神は存在しない、普遍的な価値もない。そんな虚無に打ち勝つものとは?そして軋轢を恐れ平安・快適を求めるだけの「末人」でいいのでしょうか。「これがわたしの朝だ。わたしの日が始まる。さあ、のぼれ、のぼってこい、おまえ、偉大な正午よ」
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『月と六ペンス』
サマセット・モーム 著
画家ポール・ゴーギャンをモデルとした希代のストーリーテラーによる小説。安定した仕事も家庭も捨て、美・真を追求した生き方に共感し影響されました。
「ストリックランドをとらえたのは、美の創造への情熱だ。聖なる郷愁に取りつかれた永遠の巡礼だな。真実への要求があまりに強すぎて、それを得るためならこの世の土台さえ粉微塵にして省みない輩がいる... あいつの場合は真実でなく美だ。だからこそ、おれは深く共感するんだ。」 -
『身銭を切れ』
ナシーム・ニコラス・タレブ 著
『ブラック・スワン』の著者による渾身の著書。リスク・テイクは人間と機械との違いを決める問題であり人間としての格の問題。自分の意見を持たずリスクを冒さない人間は何の価値もない、と訴えています。「オオカミと出会った犬が、自分の快適で贅沢三昧な暮らしを自慢し、仲間になるよう誘う。オオカミは犬が着けている首輪に気づき、それは何かと訊ねる。オオカミはその使い道を知ってギョッとする。「君の食べているものなんて、ひとつも羨ましくない」。オオカミはその場を走り去り、今でも走りつづけている」
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『自分の中に毒を持て』
岡本 太郎 著
島国の小さな世間に挑み続けた芸術家。僕の20歳代での座右の書でした。この書物に出会わなければ、不完全燃焼で終わっていたかもしれない。けもの道を選び続ける勇気を与えてくれました。
「捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる」 -
『時間は存在しない』
カルロ・ロヴェッリ 著
理論物理学者による哲学的で美しい文章です。われわれにとって世界とはなにか。時間とはなにか。
「自分たちが持っている時間は、本質的に記憶と予測でできた脳の持ち主であるわたしたちヒトの、この世界との相互作用のかたちであり、わたしたちのアイデンティティーの源なのだ。
そして、苦しみの源でもある。」
News
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2024.11.03
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2024.09.26
MGH/Harvardの研究室から論文が発表されました。乳児の遺伝子およびマイクロバイオームデータを解析し重症呼吸器感染症と喘息発症のメカニズムに迫っています。
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2024.08.22
MGH/Harvardの研究室より論文が発表されました。新たに開発したディープラーニング手法を用いて 乳児のRNAおよびメタボロームデータを解析。重症呼吸器感染症の分子ネットワークを明らかにしています。
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